今回は「 残業ゼロの人の段取りのキホン 」についての書評です。
この本をお勧めしたい人
- 時間にゆとりをもちつつ、段取りよく仕事を進めたい人
- 仕事のタスク管理の精度を向上させたい人
本の概要
皆さんの職場では、業務量が増えているのに、働き方改革で残業時間を減らせ!と矛盾した要求をされてないでしょうか?
テキパキと仕事をしているのに時間が足りない、だからといって仕事の作業スピードを上げるのにも限界があります。そんな時に重要になってくるのが段取り力です。段取り力を鍛えることで、最短ルートで仕事ができるので圧倒的な成果を生む源泉になります。
段取りが良い人というのは、速いスピードで手際よく処理する人ではありません。
段取りが良いとは、目的を考え、確実な達成に導くため、「先読み」した手順を踏むことを指すのです。
会社では教えてもらえない 残業ゼロの人の段取りのキホン | 伊庭 正康 |本 | 通販 | Amazon
本書では段取りのキホン、スケジュールの極意を解説していますので、参考になる方は多いと思います。
今回は私が参考になった2つを紹介したいと思います。
段取りを考える基本
段取りを考えるときは、次の3つのポイントを意識しましょう。
- タスクを分解し具体的な作業に落とし込む
- 所要時間を決めて無理のないタスクに抑える
- アクシデントに対応できるタスク量に抑える
それぞれ順番に説明します。
タスクを分解し具体的な作業に落とし込む
皆さんは、上司から会議資料の作成を依頼された時、スケジュール帳にどのように書きますか?「会議資料を作成する」とだけ書いてしまう方は要注意です。
”会議資料を作成する”一つにとっても、タスクは分解できます。
- 会議資料のストーリーを考える。
- それに必要なデータを考えて、持っていなければ揃える
- 資料の下書きを作成する
- 上司に下書きを確認してもらい、方向性がズレていないかを確認してもらう
- 資料を修正する/仕上げる
会議資料を作成し終えるまでには、この5つのタスクを達成しなければなりません。このようにタスクを分解して具体的な実行リストにすることがポイントです。
スケジュール帳に「会議資料を作成する」とだけ書かれていると、どこから手をつけてよいか考える必要があります。それに対して、具体的な行動に落とし込むと、1つ1つの仕事イメージしやすくなり、「どのくらい時間がかかるか」が明確になっていきます。
また、あらかじめゴールまで意識することができるので、「どれが一番難易度が高いのか」「どこに力を入れるべきか」が明確になり、計画を立てやすくなります。
所要時間を決めて無理のないタスクになるように抑える
具体的なタスクを分解できたら、タスクごとの所要時間を記入してみましょう。なぜならどんな仕事でも、決められた期間内や納期内に終えられることが求められるからです。タスクごとの所要時間と、期限までの時間を見極めて無理のないスケジュールを組み立てましょう。
ある研究によれば、ToDoリストを作成しても、リストに載っていることの4割は実行されずに終わってしまいます。その原因として、無理にタスクを詰め込みすぎてやりきれないことが挙げられます。
スケジュールを立ててどうしても間に合いそうにない場合は、先輩や同僚に助けを求めるか、上司に納期を延長してもらえないか相談してみましょう。相談する際も、ただ納期を遅らせることを求めるのではなく、「いまこれくらいのタスクがあり、その所要時間は○○日かかる」というレベルまで伝えることが出来れば、相手の納得度も上がると思います。
アクシデントに対応できるタスク量に抑える
仕事をしていると必ずアクシデントに見舞われます。急な電話やお客様対応などは、自分でコントロールできるものではありませんが、あらかじめアクシデントを想定していないとスケジュール通りには進みません。
アクシデントがないように祈るよりも、「アクシデントはあるものだ」という心つもりで、余裕をもったスケジュールにしておきましょう。
著者は8時間勤務であれば、1時間30分くらいの余裕を見ておいたほうが良いとしています。
ほうれん草の重要性
仕事は必ず相手ありきで済むもの。独りよがりの仕事をせず、最初の段階で自分がやろうとしていること、やり始めたことをちょくちょく上司に確認を取ること。
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長時間かけて頑張って作りこんだ資料も、どんなに素晴らしい出来だとしても、上司が納得してくれなければ成果にはなりません。どんな資料作成にも必ず修正は発生しますが、一度100%の完成度の資料を作成してしまうと、修正するのは大変です。
20~30%の完成度でよいので、上司に一度報告し「こんな資料にしようと思うのですがいいですか?」と尋ねて資料を見てもらいましょう。例えそこで大きく修正が入った場合でも、20~30%の修正で済みます。初めての仕事に取り組む際や作成資料をつくる際に心がけましょう。
おわりに
今回は「残業ゼロの人の段取りのキホン」を紹介しました。
“仕事に取り掛かる前に段取りを考えるときの3つのポイント”はどんな職種であっても使える考え方だと思います。①具体的なタスクに落とし込んで、②所要時間を見定め、③アクシデントをあらかじめ想定する、この3点を意識して、仕事の効率を上げていきたいと思いました。
気になった方は、是非お手に取って読んでみんて下さい。
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